FXってなに?今さら聞けないFXの基礎から解説

みなさんはFXにどんなイメージを持たれているでしょうか?
もしかすると、世間一般のFXに対する印象は「怖い」とか「危険」といったものが多いかもしれません。

僕は、FXを始めて10年以上になりますが、世間の人たちがそういったイメージを持ってしまう理由も分からなくはありません。

確かにFXには「リスク」があるからです。
ただし、FXの仕組みをよく理解し、適切に対処すれば、リスクをコントロールすることは十分に可能です

FXを始めた人の中には、FXの基礎を勉強しないまま、つまりリスクがどこにあるかを把握しないまま、投資資金を最大まで投下し、あっという間に大きな損失を抱えてしまう人がいるのも事実です。

その結果、FXは「怖い」、あるいは「危険」といったイメージが広がってしまっているのでしょう。

しかし、それはあくまでFXの基礎やリスクについて学ばなかった一部のケースです。

この「FX ABC」をご覧下さっている方は、FXの基礎を勉強しようという意欲をお持ちの方だと思います。
ぜひ、FXについて一緒に学習し、「勝てるトレーダー」を目指して行きましょう!

FXってなに?今さら聞けないFXの基礎

FXってなに?今さら聞けないFXの基礎

FXという言葉は聞いたことがあっても、私たちの普段の生活にほとんど関係のないものだけに、具体的な内容については深くは理解していない、という人がほとんどだと思います。

そこで、FXの特徴を簡潔かつ正確に、5つの項目に分けてお伝えしたいと思います。

FXの特徴
  1. FXとは外国為替証拠金取引のこと
  2. その国の通貨が他の国の通貨に対して上がるか下がるかを予想する
  3. スプレッドとスワップ金利
  4. レバレッジ
  5. 利益確定とロスカット

それぞれを順番に見て行きましょう。

FXとは外国為替証拠金取引のこと

FXという名称は、日本円やUSドル、ユーロといった通貨を取引する「外国為替」を指す「Foreign Exchange」から取ったものです。
日本では外国為替証拠金取引のことを言います。

「外国為替証拠金取引」というのは、現物株の売買などとは違い、FX業者に一定の金額を証拠金として預け入れ、それを担保に外国の通貨を取引をする仕組みのことです。

その国の通貨が他の国の通貨に対して上がるか下がるかを予想する

「FXは外国の通貨を売買する」なんていうと、何か難しいことのように感じますが、突き詰めて言えば「その国の通貨が他の国の通貨に対して上がるか下がるかを予想する」コレだけです。

ただ、上がるか下がるかを当てるシンプルなゲームなのですが、実際には、チャートの分析やファンダメンタルズなどの情報、さらにはトレーダーのメンタル面のコントロールなど、沢山の知識や技術を習得しなければ勝てない、ものスゴく難しいゲームでもあります。

スプレッドとスワップ金利

FX特有の用語がスプレッドとスワップ金利でしょう。聞き慣れない言葉かもしれませんが、すごく簡単です。

スプレッド

スプレッドとは、通貨の買値と売値との「差額」のことです。
要するに通貨には買いたい時の価格と、売りたい時の価格という2つの価格があります。

また、その「差額」がFX業者の利益にもなっています。

スワップ金利

スワップ金利とは、通貨間の「金利差」のことです。
例えば、2019年の時点で言えば、日本よりもアメリカの方が金利が高いので、「金利差」が生じていることになります。

そして、金利の高い通貨を持っている人はその差分の金利を貰うことができ、逆に金利の低い通貨を持っている人はその差分の金利を払わなければなりません。

レバレッジ

レバレッジもFXの大きな特徴のひとつで、直訳すると、てこの原理「テコ」のことです。
実際の意味もてこの原理そのもので、一定の金額を証拠金としてFX業者に預け入れることで、預け入れた金額よりも大きな金額の取引が出来るというものです。
国内では最大25倍までのレバレッジが認められています。

FXのレバレッジに関して、「実際よりも大きな金額を動かすのは危険だ」という声をよく耳にしますが、レバレッジは強制ではなく、レバレッジを掛けるかどうかはトレーダーの自由なので、危険だと感じるならレバレッジをゼロ、あるいは数倍程度に抑えれば、リスクを低減できます。

利益確定とロスカット

トレーダーがFXに参入する目的は「お金を稼ぐこと」なので、為替市場に投入した資金には必ず「出口戦略」が必要です。
トレードの出口は、当然2つあって、「利益を確定」するか「ロスカット(損切り)」ということになります。

僕は長年のFXの経験から、スワップ金利狙いの長期保有以外、すべてのFXトレードは短期的な「サヤ取り」に割り切った方が良いと思っています。短期で資金を回していく方が効率が良いからです。

短期的なサヤ取りであるならば、エントリーする際に、必ずレートが「いくらになったら利確する」「いくらになったらロスカットする」と決めておくことが必要です。

これを徹底しないと、戦略的にFXに取り組むことが出来なくなってしまいますし、損失を抱えたポジションを放置してしまうと、最終的には預け入れた証拠金の担保価値がなくなり、FX業者から保有していたポジションを「強制ロスカット」されることにもなりかねません。

ロスカットの必要性については、以下の記事をご参照ください。



FXのメリットとデメリット

FXのメリットとデメリット

FXのメリットとデメリットについて書く時、FXのトレードを知らない単なるアフィリエイターたちが作ったサイトでは、必ず「レバレッジが使える」だとか「24時間取引が出来る」といった決まり文句が書かれています。

でも、実際にFXのトレードをしたことのある方なら「レバレッジ」や「24時間取引」などは些細なことで、本当のFXのメリットとデメリットは別のところにあると感じていることでしょう。

僕が実地でトレードしていて感じるFXのメリットデメリットは次のようなものです。

FXのメリット:チャートの動きが素直

FXのメリットとして、まず言えるのことは、「チャートの動きが素直」だということです。
これは、株や原油先物やゴールドなどのチャートと比較して言えることです。

チャートの動きが素直だとなにがメリットになるのかというと、「教科書」で学んできた理論が実践で機能するからです。

株の場合は、機関投資家やヘッジファンド、あるいは大株主といった大口の投資家の売買ひとつで、チャートが簡単に上にも下にも振り回されます。
一方、FXの為替市場は、1日に600兆円とも言われる巨大な市場なので、個人やいち企業の思惑で為替レートを操作することはほぼ不可能です。

株式市場で演じられる「仕手戦」のような価格操作は、為替市場ではまず見られません。
その結果、FXは「チャートの理論」にそった動きになりやすく、チャートや為替市場について勉強した人ほど、勝つ可能性が高まる「努力し甲斐のある市場」だということが大きなメリットです。

FXのデメリット:あえて言えば、スプレッドの広がりとスリッページ

FXのメリットについて書いたので、デメリットも書かなくてはと思ったんですが、FXのトレードをしていて、正直、これといった不都合なことはありません。
なので、「スプレッドの広がりとスリッページ」を挙げたのも「強いて言えば」といった程度のものです。

初心者の方で、「スプレッドの広がり」や「スリッページ」という言葉を聞いたことのある方は少ないかもしれません。

どういう意味かというと、通常、トレーダーが通貨を売買する際には、チャートを見ながら「このレートで買い(売り)たい」と思います。
そして、その値位置でマウスをクリックするわけですが、実際に売買が成立したのが自分がクリックした値位置とはかけ離れているようなケースがあるんです。

どうしてそんなことが起こるのかというと、例えば、重要な指標発表や要人の発言といったファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に影響を与える発表や発言があると、為替レートはその新しい条件に相当するレートを織り込みに行きます。

つまり、それまでの「妥当なレート」から、新たな「妥当なレート」に移行していくわけです。
で、その過程ではトレーダーの売買が集中し、ボラティリティ(レートの変動幅)が高まります。

ボラティリティが高まると、インターバンク市場で客(FX業者)からの注文を受ける銀行は、高めのスプレッド(実質手数料)を設定しておかないと、瞬時にレートが大きく動くので、損をする可能性が出てきます。

その為に、銀行は高めのスプレッドをFX業者に提示し、それをFX業者はわれわれ個人トレーダーに提示するので、結果として売買が集中する場面では「スプレッドが広がる」ことになります。

また、スプレッドが広がる局面では、売買が集中していることから、「トレーダーの注文が通りにくくなる」ので、「スリッページ」という「価格が滑る」現象が発生しやすくなります。

もっとも、スプレッドの広がりもスリッページも、普段はほとんど発生しないものなので、デメリットというほどのことでもありません。
売買が集中するような時に注意しておけば大丈夫です。

FXを始めるにあたっての注意点

FXを始めるにあたっての注意点

この項目は、本記事のタイトル「FXってなに?今さら聞けないFXの基礎から解説」とは、少しテーマが違っているかもしれませんが、これからFXを始められる皆さんにとって、すごく大切なことだと思ったので書くことにしました。

トレーダーは「自分で決めたルールを守ること」が大切

FXトレーダーに必要な要素は、知識や技術、経験など多岐にわたるのですが、トレードの現場で長年過ごして来た者から言わせてもらうと、トレーダーにとって最も重要な要素は、

「自分で決めたルールを守ること」

だと断言できます。

トレードには必ず戦略があって、その戦略の立案には知識や経験がものを言います。
しかし、それらの戦略が非常に優れたものであったとしても、「損を確定するのが嫌だ」とか、「ここでエントリーするのが怖い」といった理由から、当初の戦略を実行できないトレーダーが沢山います。

「自分で決めたルール守をること」が出来ない要因は、戦略や戦術に問題があるのではなく、トレーダーの心の中にあります。

このことは非常に重要で、多くのトレーダーにとって、FXで勝つことを妨げている最も大きな要因でもあります。

ぜひ、皆さんには、トレードの知識や技術を習得することと同じように、もしくはそれ以上の熱意を持って、トレーダーにとって必要なメンタル面の勉強に取り組んで頂きたいと思います。

さぁ、口座を開設してFXを始めよう

長い文章をここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
きっと、今すぐにでもFXを始めたくてウズウズしてるのではないでしょうか?

ただし、最後にもう一度お話ししておきます。

FXで絶対に守るべきこと

エントリーする際には、必ず「2つの出口」、要するに、「利益を確定する場所」と「損失を確定する場所」を事前に決めておかなければなりません。
そして、その「自分で決めたルールを絶対に守る」ことを忘れないで下さい。

FXでは、勝つことを目指すより前に、生き残ることが大切です。
その為には、上の条件を絶対に守ってください。