
FXの特徴のひとつは、ほぼ24時間いつでもトレード出来ることですが、取引する時間帯によって「値動きにクセ」があるので気を付ける必要があります。
24時間を大きく3つに分けて、東京時間・欧州時間・アメリカ時間と呼びます。厳密にはアメリカ時間のあと、東京時間が始まる前に「オセアニア時間」を挟むのですが、この時間帯は取引量が少なく、時間も短いことから通常はあまり考慮されません。
東京時間・欧州時間・アメリカ時間は、それぞれが厳密に何時から何時までと決まっているわけではなく、便宜上、こういった呼び方をしています。
FXは通貨を取引するものなので、通貨を扱う銀行が世界のどこかで開いていれば取引することが出来ます。銀行間で形成される為替市場のことを「インターバンク市場」と言います。
僕もFXを始めた当初は、時間帯による値動きの違いを頭では分かっていても、「肌感覚」としては理解できていなかったので、トレードしながら突然「レートの動き方が変わる」ことに何度も戸惑いました。
FXは、東京・欧州・アメリカの各時間帯によって値動きの特徴が変わる
インターバンク市場が、地球の自転とともに東京・欧州・アメリカと回っていくわけですが、それぞれの時間帯には、それぞれの国の都合や人種による性格の違いなどもあって、為替レートの値動きにクセを生み出します。
例えば、東京時間では日本の輸出企業が海外で得たドルやユーロを円に替える、つまり「外貨を売って円を買う」動きが起こります。
一方、世界経済に影響を与えるほどの要人発言や指標発表が少ないことから、東京時間では「比較的おだやかな相場展開になりやすい」といった特徴があります。
また、農耕民族の日本人と狩猟民族の欧米人とでは、相場に向き合うスタンスと、それによるトレードスタイルの違いが、レートの動きのクセとなって表れます。
FXのトレードをする際には、これらの時間帯別の特徴を知っておく必要がありますが、単なる知識として知っているだけではなく、「肌感覚」として体得していないと、「相場と噛み合ったトレード」をするのが難しくなります。
東京時間:比較的穏やかなチャーチスト好みの相場
僕がFXのトレードをするのは、基本的に東京時間です。
なぜなら東京時間は、高値や安値をどんどん更新して「新しい相場を作る」といった展開が少なく、多くの場合「一定のレンジ内を行ったり来たり」します。
この東京時間のレートの動き方が、「逆張り派」の僕には感覚的にしっくり来るんです。
東京時間は逆張り派のトレーダーに向いている
僕は性格的に、高値が更新されると「高すぎる」と感じ、安値が更新されると「安すぎる」と感じてしまうので、トレンドにはなかなか乗れません。
しかし、高値や安値を更新せずに「戻って来てくれる」東京時間の値動きは、高値で売り安値で買いたくなる僕には「相場に合った」トレードが出来ます。
一方、トレンドフォロー型のトレードスタイルが得意な人には、東京時間は「やり辛い」相場でしょう。
なにしろ、トレンドに乗ろうとエントリーしても、いつも「元のレートまで戻ってきてしまう」ので、「まったく稼げない」ということになりがちです。
こういった特徴から、東京時間は逆張りを得意とするトレーダーに適した時間帯だと言えます。
もうひとつ、僕が東京時間を気に入っている理由は、比較的「チャートの理論」に基づいた値動きをしてくれるからです。
チャートの理論に則ってトレードする僕のようなタイプのトレーダーにとって、最も不都合なのは「ファンダメンタルズに影響を与えるような要人発言や指標発表」なんです。
ファンダメンタルズが変わると、為替レートはチャートの理論など無視して上下に「すっ飛んで」しまいます。
こうなっては、僕のような「チャーチスト」は、途端に「どこで買って、どこで売ればいい」のか分からなくなってしまうんです。
ところが、先にお話ししたように東京時間にはそういった要人発言などが少ないので、チャートを勉強しチャートの理論に基づいてトレードするトレーダーには「感覚的に合う」相場だと言えます。
欧州時間:東京勢を翻弄しようとする欧州勢に注意
僕は東京時間から欧州時間に切り替わる午後3時(冬時間では午後4時)のタイミングが大嫌いです。
それまでは、東京を中心としたアジア各国の「都合」で作られていた相場に、ヨーロッパ人が彼らの「都合」を持ち込んで来ることで、突如として相場の空気が一変するからです。
しかも、その変化の仕方が「やらしい」というか、いきなり逆方向にレートを振って来たり、あるいは逆方向に振ると見せかけて更にその逆に振って来たりと、とにかく人が嫌がることを敢えて仕掛けてくるのが、東京時間から欧州時間に切り替わる時間帯でのヨーロッパ人のやり方なんです。
なので、東京時間で含み益のあるポジションを持ったまま油断して欧州時間を跨いでしまうと、一気に含み益がマイナスに転じてしまうことも多々あります。
そんな欧州時間の始まりが、唯一「楽しみ」な時というのは、東京時間で含み損のポジションを抱えてしまっている時です。
東京時間では流れが変わりそうになく、「含み損のポジションを持たされている」状態の際は、欧州時間に入ってヨーロッパ人が相場をかき乱してくれると、まれに抱えていた含み損のポジションが一気に「プラ転」してくれる場合があります。
そんな時はヨーロッパ人に感謝することもありますが(笑)、基本的にはチャートの理論を無視する欧州時間の始まりは、僕の嫌いな時間帯です。
ですので、東京時間から欧州時間を跨いでトレードをされる場合は、このことに気を付けてトレードしてください。
アメリカ時間:アメリカ一国の都合で新しいトレンドが生まれる
金融大国アメリカでは、東京時間や欧州時間で東京勢、欧州勢が作ってきた相場をあまり意識せず、アメリカ人が自分たちの「都合」によって、彼らの相場を作っていきます。
アメリカ勢の資金力は膨大で、東京勢もヨーロッパ勢も、アメリカ時間で作られる相場のトレンドに従うしかありません。
具体的には、例えば、
「東京時間と欧州時間でドルが弱い展開だったとします。
そんな中、アメリカ時間に入りアメリカ国内の経済指標で良い数字が発表されたとすると、その瞬間、それまでの相場の流れが一気に変わってしまうんです。」
東京やヨーロッパのいくつもの指標発表はほぼ無視され、「アメリカ一国」の「都合」で新しい相場が作られて行きます。
また、高値と安値をどんどん更新していくのもアメリカ時間の特徴です。
東京時間では新値を更新するパワーはなく、欧州時間では疑いながらの相場展開であったとしても、アメリカ一国の情勢次第で高値や安値といった新値が次々と更新されていきます。
トレンドフォロー型のトレーダーが好むアメリカ時間
このように、アメリカ経済にとって良い数字や悪い数字が出ると、世界の為替市場に「トレンド」が生まれます。
これは、「トレンドフォロー型」のトレーダーには非常に適した相場で、実際、日本では夜中の時間帯となるアメリカ時間に好んでトレードするトレンドフォロー型の日本人トレーダーも沢山います。
アメリカ時間ではボラティリティが上がることも多く、上手く初動に乗れば「PIPSを稼ぎやすい」という面は確かにあります。
ただ、重要な経済指標の発表直後は、レートが暴力的に上下に動くことが多いので、ギャンブル性の高まる、トレードに注意を要する時間帯でもあります。
高値、あるいは安値を追っていくトレンドフォロー型のトレーダーとは正反対の僕のような逆張り派トレーダーにとって、どんどん新値を更新していくアメリカ時間の相場は、「なかなか付いて行けない」相場です。
というのは、先にも書いたように、「高値を高い。安値を安い」と感じてしまう人間には、アメリカ時間の強気な相場は「素直に付いて行けない」からです。
まとめ
以上、見てきたように東京時間・欧州時間・アメリカ時間には、それぞれ三者三様の「値動きのクセ」があります。
上手なトレーダーは、それぞれ特徴に「自分自身合わせる」ことが出来ますが、まだFXを始めて間もない方は、これらの時間帯の中から、「自分の性格に合う」時間帯を見つけてトレードするのが良いかと思います。
繰り返しになりますが、僕の場合は、高値や安値を追いかけるのが得意ではないので、東京時間の「レートが戻ってくる」比較的穏やかな相場が性に合ってます。
逆に、あなたがトレンドを見つけてそれに素直に乗れるタイプのトレーダーであれば、新値を平気で更新していくアメリカ時間でトレードする方が成績は伸びるでしょう。
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