FXのレバレッジとは?リスクを計算し資金を安全に運用しよう

「FXはレバレッジが掛けられるから危険だ」という話を昔からよく耳にします。
自己資金の何倍(国内では最大25倍)もの金額を運用するから危ない、ということなのでしょう。でも、実際にはどうなのでしょうか?

おそらく、上のようなことを言っている人は、実際にはFXをやってない人なのではないでしょうか?
僕はFXを始めて10年以上が経ちますが、「FXのレバレッジが危険だ」と感じたことは一度もないです(笑)

なぜなら、FXのレバレッジは25倍に固定されているものではなく、トレーダーが1倍から25倍まで任意に調整できるからです。
つまり、リスクを負いたくないのであれば、トレーダー自身が「レバレッジゼロ」にすることで、リスクを回避することも可能です。

僕の印象としては、「投資資金の25倍ものお金を動かすから危険だ」と言っている人は、自己資金の25倍という「数字」にビビッてるのであって、トレードの現場で感じる「肌感覚としてのレバレッジ」については、おそらく経験したことがないんだと思います。

繰り返しになりますが、トレードをしながら「レバレッジって危ないなぁ」と思ったことは1回もないです(笑)

FXのレバレッジとは?

FXのレバレッジとは?

FXの大きな特徴の一つが「レバレッジ」です。
レバレッジが「テコの原理」のテコという意味で、「自己資金よりも大きな金額を動かすことが出来る」ということをご存知の方は多いかと思います。

株の現物取引などでは、投資資金を超える金額を取引することなど出来ないのに、なぜFXでは自己資金以上の金額を取引出来るのでしょう?

それは、FXが現物取引ではなく「証拠金取引」だからです。
FXの仕組み自体が、FX業者に証拠金を預け入れて、その証拠金を担保に取引をするというものです。

FX業者としては、「取引額全額」を預からなくても、「トレーダーの損失額が預かった証拠金の範囲内」であれば問題がないので、証拠金の何倍もの金額を取引することが出来るのです。

レバレッジが掛かっているということは、FX業者から借金をしているということ

では、自身が預け入れた証拠金よりも大きな金額の取引をするとはどういう状態かというと、FX業者が資金を建て替えている、つまり、「FX業者から借金をしている」ということです。

例えば、自己資金が100万円あったとして、レバレッジを10倍掛けた1000万円分の取引をしたとします。
この場合、あなたは1000万円から自己資金100万円分を引いた、「900万円をFX業者から借りている」ということになります。

レバレッジを掛けて大きな金額のトレードをするということは、自己資金が増えたのではなく、あくまで「FX業者が建て替えている」ということを理解しておくべきです。



危険!フルレバレッジの一発勝負は自殺行為

危険!フルレバレッジの一発勝負は自殺行為

おそらく、「FXのイメージを危険なもの」にしている一番の要因が、「フルレバレッジの一発勝負をして、短時間で投資額のすべてを失ってしまった人たち」によるものだと思います。

初心者トレーダーにありがちなことなんですが、「自己資金の全額を、1回のトレードに突っ込む」といったことをします。
きっと、「彼らは投資とはそういうもの」と思っているのかもしれませんが、FX経験者からすれば、「全額一点買い」などあり得ないほど危険なギャンブルです。

そして、そのギャンブルに負け、投資資金の全額を失った数多くの人たちによる「経験談」が世間に広まり、「FXは危険だ」となっていったわけです。

確かにFXはリスクを伴う危険なものでもありますが、経験豊富なトレーダーは常にリスクを管理し、わざわざ危険な行為に手を染めるようなことはしないものです。

「フルレバレッジの一点買い」は戦略のないただのギャンブル

では、「フルレバレッジの一点買い」が、なぜギャンブル的行為なのかというと、

投資資金の全額を1回の取引で使ってしまうと

あとは「ただ祈る」以外に手の打ちようがなくなるからです。

FXのトレードとは、ポジションを取ったあとに「祈る」ようなものではなく、ポジションを取ったあとにレートが「上がったらどうする」「下がったらどうする」ということを、事前に想定したうえで、エントリーするものなんです。

為替レートという上がるか下がるか分からないものに向かっていくわけですから、当然、どちらに転んでも対処できるように戦略的にプランを練らなければなりません。

僕の場合は、そもそも「下がることを前提にポジションを取る(買いから入る場合)」ので、買ったあとは、むしろ「下がってくれ」と考えます。
なぜなら、レートが「下がること前提」なので、下がってくれると本来の戦略が機能するからです。

では、なぜ早目に仕掛けるのか?
と疑問を持たれることでしょう。「最初から下がるまで待てばいいじゃないか」と思われるのも当然です。

その答えは、「下がると思って待ってはいるものの、どこで反発されるか分からない」ので、本来入れるつもりのポジションの一部を割いて「試し玉」を入れるわけです。

そうすれば、もし、想定より早く反発されても「買いそびれた」ということはありません。
もちろん、ポジションサイズは小さいので大きな利益は望めませんが、「プラスなので問題はない」ということです。

つまり、「一点買い」ではなく、ポジションを分割すれば、「上がっても下がっても勝つ可能性を高められる」という戦略を取ることが出来ます

詳しくは、「レートが上がっても下がっても勝つ!買い下がりと売り上がりのトレード手法」をご覧ください。

FXのレバレッジのリスクは?それ以前にストップロスを入れましょう!

FXのレバレッジのリスクは?それ以前にストップロスを入れましょう!

ここまで、FXのレバレッジの意味と、レバレッジをフルに掛けたトレードの危険性についてお話してきました。

ですが、本来は、

「レバレッジが危険だどうかを議論すること自体が、そもそも間違っています」

どういうことかと言うと、「レバレッジを掛けたことで損失が膨らむ」というのは、事前に戦略を立てていなかったことを意味します。

戦略とは、最悪の場合のリスクを想定し、損失額を限定しておくことです。

僕の場合でいうと、その日のマイナスが2%を超えたら、その時点ですべてのポジションを決済し、損失を確定させます。取り返そうとはしません。

なぜ2%かというと、それぐらいのマイナスであれば、次の日もトレードを続けられるからです。
FXはギャンブルではないので、とにかく生き残ることが大切です。

ストップロスの逆指値注文がトレーダーの命を救う

専業トレーダーであれば、チャートに表示される現時点での損失額を見て、ポジションをロスカット(損切り)することが出来ますが、他にお仕事を持っている兼業トレーダーの方はそうはいきません。

そこで、あらかじめ決めておいた最大損失パーセント、あるいは最大損失額に達したら、自動的にロスカットしてくれるように、ストップロスの逆指値注文をいれておきましょう

僕の場合は2%と決めてますが、おおむね2~3%ぐらいが適当だと思います。
よくFXの入門書やサイトでは、5%とか、なかには10%などと書いてあるものもありますが、正直、ちょっと許容範囲が大きすぎると思います。

もし仮に、10%の損失を2、3回たて続けにやってしまったら、もう元の金額に戻すことは至難の業になってしまいます。

FXでは、投資資金を大きく減らさない「資金管理」が何よりも大切です。
100万円の資金を50万円に減らすのは、50%のマイナスですが、50万円を元の100万円に戻すには200%のプラスにしないと達成できないことを肝に銘じておいてください。

レバレッジ2・3倍から10倍程度なら冷静にトレードできる

レバレッジ2・3倍から10倍程度なら冷静にトレードできる

FXをするうえで、「資金管理」と同じく重要なのが「メンタルコントロール」です。
「トレードにメンタル?」と思われる方も多いかもしれませんが、心の状態というのは、トレード成績に直結します。

なぜなら、ポジションを取ったあとにチャート上に表示される「自分の投資資金の増減」は、思っている以上にトレーダーの心をかき乱すものだからです。

自分の心が動じずにいられる金額を知っておくべき

心が動揺すると、人間という生き物は本来出来るはずのことが出来なくなったり、思ってもいなかった行動をとってしまったりします。

トレーダーが侵すミスのほとんどは、戦略や技術といったことではなく、心の問題に起因しているとさえ言えます。

なので、なるべくメンタルが影響されないようなトレードを心掛けるべきなのですが、そのための最も有効な手段は「ポジションサイズを小さくする」ことです。
要するに、「自分の投資資金が増減するのを見ても、心が動じない」程度まで、レバレッジを下げるということです。

心理面の問題は、かなり個人差があるので一概にレバレッジ何パーセントが良いとは言えませんが、僕の場合で言うと、2~3倍であれば痛くも痒くもなく、10倍あたりまでならまずまず冷静に対応できる、と思っています。

ぜひ、皆さんそれぞれの「自分の心が動じない金額」を把握しておいてください。きっとトレード成績にプラスの影響を与えてくれるはずです。