FXのスキャルピングとデイトレード あなたに向いてるのはどっち?

FXのスキャルピングとデイトレードの違いについてネットで検索して見ると、ほとんどの「FX指南サイト」は、「数分から数十分持つのがスキャルピング」で、「数十分から1日まで持つのがデイトレード」と定義しているようですね。

その説明も確かに間違いではないんですが、実際にFXのトレードをしている者からすると、ちょっと違和感を感じます。

初心者トレーダーの方が、上記のような定義を鵜呑みにして、トレードに悪い影響を受けないよう、スキャルピングとデイトレードの違いについて、もう少し深掘りしてお話ししたいと思います。

FXのスキャルピングとデイトレード違いは、単純なトレード時間によるものだけではない

FXのスキャルピングとデイトレード違いは、単純なトレード時間によるものだけではない

スキャルピングとデイトレードの違いを説明するには、実際のチャートを見ていただくのが一番分かりやすいかと思います。
上(↑)は、2019年8月9日のドル円の1分足チャートです。

レートは概ね長期線の下に位置し、下げる時は急激に、上げる時は揉み合いながら時間をかけて上がっていることから、下方向への圧力が強い相場だということが見てとれます

まず、このように「基本的な環境認識」を行うことで、頭の中でその日のトレードの大まかな戦略をイメージします。

上のチャートの場合、デイトレードなら(上位足の確認も必要ですが)基本的にはショート(売り)のスタンスで行くべきでしょう。

しかし、当然下落基調の中の反発も警戒しないといけません。
そこで利用するのがスキャルピングです。

一方向の瞬間的な動きを捉えるのがスキャルピング【トレンドと逆向きでもOK】

僕がスキャルピングを使う時は、

スキャルピングする場面
  1. 相場に明確なトレンドが見えない時(東京時間に多い)
  2. トレンドは出てるけど、いつ反転するか分からない時

概ねこのような時にスキャルピングでトレードします。
僕の好みとしては、本当はもうちょっと長く持つ方が性に合うんですが、相場の状況に合わせて自分のトレードスタイルも変えるようにしています。

なぜスキャルピングよりも長めに持つのが好きかと言うと、1つは「せわしない」からです(笑)。スキャルパーの方は分かると思いますが、スキャルピングで何時間もトレードしたら、精神的にぐったりするほど疲れます。

あとは、単純に「スプレッド負けしやすい」ということもあります。
トレンドが出てない相場でスキャルピングを使うことが多いと書きましたが、「トレンドが出ていない=レンジ相場」なので、ロングから入ろうがショートから入ろうが、いずれにせよスプレッド分のマイナス圏を抜け出せない「スプレッド負け」の状態にハマってしまうこともあるからです。

それでもスキャルピングを使うことがあるのは、やっぱり利点があるからです。①の「トレンドが出ていない=レンジ相場」では、レンジ相場でエントリーする是非はともかく、スキャルピングの逆張りでしか稼ぐことは出来ません

でも、僕が感じるスキャルピングの一番の利点は、

「サポートレジスタンスラインへのファーストタッチでの逆張り」

で使いやすいことです。

FXトレーダーの方はご存知のように、レートというのは、「だいたいいつも同じ場所で止まったり、揉み合ったり」します
上のチャートで言えば、左下のレートが急落してきたところがその典型です。
勢いよく下がって来たのに、ずっと前に跳ね返された場所でまたしても止められています。

こういった「サポートレジスタンスラインで反発する習性を利用して、逆張りのスキャルピングで数PIPSを狙う」のが、いつもの僕のやり方です。

スキャルピングでしかトレードしないスキャルパーの方も沢山いますが、トレンド方向にうまく乗れた時は、スキャルで細かく利食うのはもったいないので、僕は「スキャルピング=トレンドと逆方向の瞬間的な動きを捉える」際に使っています。

細かな上下動は無視し、少し長めの流れに乗るのがデイトレード【長期足順張り&短期足逆張り】

僕が最も好きなトレードは、10分から20分、長くても1時間ぐらいで終わるトレードです。
このような時間軸のトレードをスキャルピングと呼ぶのか、デイトレードと呼ぶのかは分かりませんが、「短すぎず長すぎず」ということで自分の性格にピッタリ合っているんです。

トレードスタイルが性格に合っていることもすごく大切なことですが、実際面でも、10分から1時間という「時間」は、

「スプレッドが気にならない値幅を狙えると同時に、小さなトレンドにも乗れる」

絶妙な「時間」に感じるので気に入ってます。

あと、この時間軸でトレードする際の鉄則は、「長期足順張り&短期足逆張り」です
これをいつも心掛けています。
たまに、この鉄則を無視して勘で入ってしまうと、かなりの確率で「逆をいかれて損切り」するはめになります。



FXのスキャルピングとデイトレードは、性格によって向き不向きがある

FXのスキャルピングとデイトレードは、性格によって向き不向きがある

ここまで見てきたように、スキャルピングとデイトレードはその時々の相場環境によって使い分けるべきものですが、もうひとつスキャルピングとデイトレードを使い分けるべき「理由」があります。

それは、「トレーダー各人の性格の違い」によるものです。
「FXのトレードに性格なんて関係あるのか?」と思われる方も多いかもしれませんが、これは実はものすごく重要な要素で、自分の性格に合ったトレードスタイルを身に付けることは、勝つトレーダーになるための大切な一歩です。

ポジションを取ったあと、気が気でないか?それとも放っていても平気か?

トレーダーの性格は、10人いれば10通りの性格があると思うのですが、大きく分けると次の2パターンになるように感じます。

あなたはどちらのタイプでしょうか?
  1. あなたはポジションを取ったあと、緊張してチャートから離れられないタイプでしょうか?
  2. それとも、平気でパソコンを閉じて他のことが出来るタイプでしょうか?

これは完全にその人の性格による部分なので、かなり個人差があります。
僕の場合、昔はトレード中にチャートから離れるなんて考えられないぐらい、一瞬一瞬の値動きが気になってしょうがないタイプでした。
そして、その頃はやはりスキャルピングが中心のトレードに「必然的」になってました。

でも、年齢とともに多少性格も変わっていくようで、今ではポジションを取ったあとも、そこまで緊張することもなく、比較的ゆったりと構えられるようになりました。
そんな今のトレードスタイルは、先にもお話ししたようにスキャルよりも長い10分から1時間程度のデイトレードになっています。

あるいは逆に、本当は気が気でないけどそれだと精神的にキツいから、「あえて長めのデイトレードにすることで心を落ち着かせる」という工夫も試してみる価値があると思います。

とにかく、FXのトレードというのはメンタルがものすごく成績を左右する重要な要素なので、トレード中に精神が常に安定していることが大切です

そういった意味でも、スキャルピングとデイトレードはただ単に保有時間で区別するようなシンプルなものではなく、「その人の性格に合ったトレードスタイルを選んだ結果」、必然的にスキャルピングになったり、デイトレードになったりするものだと思います。

FXにスウィングトレードは適してないと思う

FXにスウィングトレードは適してないと思う

次に、スキャルピングとデイトレードの違いの補足として、スウィングトレードについても触れておきたいと思います。

スウィングトレードとは、その日のうちにトレードを終えるスキャルピングやデイトレードと違い、2日から数週間程度ポジションを保有し続けるトレードスタイルのことです。

この手法を一躍有名にしたのは、株で160万円を210億円にまで増やしたBNFさんが採用していたことによると思います。
ただ、当時はまだ株を長期保有するスタイルが一般的だった時代なので、当時のスウィングトレードの「感覚としての時間軸」は、今よりもずっと短いものだったと言えるでしょう。

ちなみに、証券業界のウワサでは、2019年の現在、BNFさんの総資産は1000億円を超えているとのことです!

東京 → ロンドン → ニューヨークで相場の流れが一変する

株で巨万の富を築いたBNFさんを真似て、FXでもスウィングトレードを採用する方も多いかもしれません。
昔は僕もBNFさんに憧れて、株でもFXでもスウィングトレードを試してみたことがあります。

そして、デイトレードとスウィングトレードの成績を比較してみると、株ではそこまで大きな差はなかったんですが、FXでは明らかに両者のパフォーマンスに差が表れていました。

結論としては、「FXでスウィングトレードした場合に成績はデイトレードよりも明確に悪い」というものでした。

なぜそうなるのか、それは、為替を取引する「インターバンク市場」が、東京時間 → ロンドン時間 → ニューヨーク時間と移り変わっていくいく中で、「別の相場展開」へと変わっていくからです。

要するに、スウィングトレードのメリットは、「トレンドの波」に乗り続けることなのに、東京 → ロンドン → ニューヨークと市場が移っていく度に、「違う波が現れる」のでなかなか上手く乗れないわけです。

しかも、相場の流れが次の市場でどう変わるのかを読めない以上、ポジションを持ち続けることはギャンブルをしているに等しいことになります。
FXのトレードでギャンブル的なことをすると、不思議なことに2分の1以上の確率で負けます。

さらには、東京時間で持ったポジションをオーバーナイトするということは、当然、ニューヨーク時間を跨ぐことになります。
世界の金融の中心であるニューヨークでは、為替市場の流れを一変させるような要人発言や指標発表が飛び出さないとも限りません。

FXトレーダーは、予想できないことに賭けるのではなく、やはりチャートの理論に従って、毎日コツコツと小さな利益を積み重ねていくのが正しいトレードだと思います。